ヒロホの自由ブログ

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「過ぎ去りし王国の城」を読んで

こんにちは、hirohoです。

 

つい最近読み終わった本を紹介します。著者は宮部みゆき推理小説は何冊か読んだことがありました。今回は、タイトルが童話っぽくて読みごたえがあるかどうかわからないなあと思いながら読み始めました。

 

主人公は中学三年生の男の子と同級生の女の子。どちらもクラスでは存在感がほとんどなく、特に女の子の方はあからさまに無視やいじめにあっています。「ハブられ女子」と表現されていました。でも、彼女はとても絵が上手なのです。それがきっかけでこの二人の中学生は、ある絵の中に飛び込んで不思議な体験をすることになります。

 

冒険もの?確かにそういった面もありますが、楽しい冒険というよりは、悲しい出来事が二人を絵の中に導いたという感じです。

 

絵というのはヨーロッパの古城のデッサンですが、その絵はどうやら生きているのです。そして、十年前に起きた幼児失踪事件に関連があるようなのです。

 

ありえない設定ですが、いじめや事件は現実世界でいやというほど起きていることです。それらの当事者は、逃れられない状況で苦しんでいます。「あの時に戻れたら」「今この瞬間べつの場所にいられたら」事態は変わっていたかもしれない、そう考えていくと、「じゃあ、実際にそれが可能だったらどうなるだろう」というのが本書ではないかと推測しました。(著者の本当の意向はわからないので)

 

パラレルワールド

 

今このときに、もう一人の自分が別の時間軸を生きている、としたらどうでしょうか。そして過去の時間軸を生きる自分のところに行ってちょっと「事実」を変えることができたら、現在の自分の状況も変わるかもしれない。

物語の前半は、中学生二人の日常描写が続くので、思わず本のタイトルを見返して考え込むこともありましたが、後半はパラレルワールド感全開でいっきに盛り上がります。次はどうなるかとワクワクしながら読み進めることができました。

 

読後感は、悲しみと希望かな。今の悩みや苦しみも、解決方法はかならずあるから諦めてはいけない、しかし、どうにもならないこともあるから、誰かに助けを求めることも大事だと思いました。

 

まあ、感じ方は人それぞれ。日常を忘れて別世界に連れて行ってくれる面白いフィクションです。